September 06, 2008

686:タンゴの力

ファビオといいグレッグといいジュリアンといい。僕の周りには長期に渡る遠距離恋愛をしていた男が多い。「いた」などと過去形なのは、最近こぞって彼女たちがパリに住み始めたからである。

ブラジルとポルトガル、同じ言葉つながりで永らく付き合っている二人も、今年からアンナがジャズピアノの学校に通うことになり、二人は一緒に生活を始めた。こうなると友人付き合いも悪くなるもので、なんとなく僕は一人ぼっちな時間が多くなったが、このアンナちゃんというのが変な子で、ファビオと会う楽しみも二倍になった感じなのである。

落ち込んでいても仕方がないので酒を飲む。ファビオは酒を飲まないが、アンナちゃんは酔いては踊るファンタジスタ。誰も踊ってないアイリッシュパブで、ビール一杯で気持ちよくなって踊り始める始末。ブラジル仕込みのファビオもそれを見て、「今日は踊りたくない」としょげてしまうほど勢いがいいのである。

酔っ払ってパブを出て。夜のボンヌ・ヌーヴェル。アンナちゃんは何を思ったのか、「タンゴ!」と言った。タンゴが踊りたい!というのであろう。ファビオは何故かしょんぼりしている。「ファビオはもっとか弱い彼女がいいのよ」と大喜びのアンナちゃん。「タンゴ!タンゴ!」と言っている。

「タンゴ・アルヘンティーナ!」

などと、僕は知ってる単語をつないで同調してみる。するとアンナちゃんは道端でタンゴの踊りらしきをやり始めたので、なんとなくこれは一緒にタンゴをやらなければならない流れになって、タンゴが何かもしらず、フラメンコのようなサルサのような、二人でなんとなくタンゴをやったのである。そしたら憂鬱な自分もどこかへ行って、月の下、あきれるファビオの横でタンゴのパワーは炸裂したのである。ウォンカーウァイも間違いなく映画に採用するであろう、美しきタンゴの舞い。「タンゴ教室に行こう!明日はさっそく入会だ!」と大いに盛り上がったりもして。

タンゴの力!

***

翌日、タンゴの何たるかをネットで鑑賞した。全然昨日やったやつと違う。それにキャラが違うキャラが。アンナちゃんには一人で教室通いしていただこうと思う。

「tango」で検索した結果

Posted by kaname : 02:18 PM | コメント (0)

September 03, 2008

685:忘れてしまった醤油

久しぶりに来たな悪い波。今度のもまた凶悪である。右に動いてもダメ、左に動いてもダメ、という時期が年に二度ほど必ず来るが、今年は珍しい時期にやってきた。うぅん。YMOの、君に胸キュン。浮気なヴァカンス。を聴く。ひどい歌だなぁと。キュン、キュン!

仕事が途絶えて何をしているかというと、朝はきちんと空気が青いうちに起床して、まずDVDを一本。朝飯を食べたら、ちょっと朝寝して、名画劇場へと足を運び、朝一の回で名作を鑑賞。家に帰って昼寝。冷凍の野菜を食べたりして。そこから昼下がり、やっと仕事にとりかかる。ちょろりちょろり。夜はもう一本映画を観たり。

完全にダメである。本当はやらなければならないことが山ほどある。忙しい時は時間を見つけてでもこなしていたことが、今度は時間があるせいで、全てが穿き古したトランクスのゴムのようにゆるゆるしている。こうしてエッセイをサボったのも、時間があるから。時間がないからこそ筆も進むのである。

見せ掛け上の時間がある状態、これが一番怖い。その罠にまんまとはまり、あらぬことか一日15時間も惰眠を貪り、5度も飯を食い、3時のおやつを欠かさない。かつて勤勉だった自分はどこへやら。この1週間で映画を15本くらい観てしまった。朝一の映画館で、アントニオーニの訳の分からない映像に振回されて居眠りする、この快感、これに溺れていてはダメである。

メリハリ。
もはや忘れてしまった醤油の味。
しまっていこー

**

グーグルが出した新しいブラウザ、クロム、いい。なんか漢字が中国の簡略体になってたりするけど。小学校の時、色が黒いから「クロム」というのがいて、いつも溜め池で釣りをしていた。

Posted by kaname : 10:45 PM | コメント (0)

 
total
todayyesterday